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現役モノ系ライターの備忘録

【書き方講座】WEBライターになるための執筆テクニック

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僕は某WEBメディアで編集者・ライターとして働いています。
通常業務の一環としてライター採用も担当しているのですが、
ライティングテストに通過する人ってどれくらいだと思いますか?

だいたい応募者300人に対して合格者が1人いるかいないかってぐらいです。

おそらく、ほとんどの日本人は「日本語なんて誰でも書ける」と思うでしょう。
でも、プロから見ればちゃんと書けている人は滅多に居ないんです。

ということで、今回はWEBライターを目指そうとしている方のために、最低限押さえておきたいWEBライティングのコツを紹介します。これさえ守っておけば、ほぼ確実に採用されるはずです。

 


WEBライティングのコツ|心構え編

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せっかくいい文章を書いても、心構えができていないと「この人とは一緒に仕事できないな……」とライティングテストに落とされてしまったり、契約終了になったりすることがあります。

多少テクニックが足りていなくても心構えさえしっかりしていれば採用されることもあるので、絶対にWEBライターになりたいという方は必ず身につけておきましょう。


文体を揃えよう

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文章は大きく分けると「です・ます調」「だ・である調」に分けられます。
まずは自分が応募するメディアがどちらの文体を採用しているのかをチェックしてください。
たとえば、「です・ます調」のメディアに「~である」といった堅い文章で応募した場合、「コイツ、うちのメディア読んでないな……」と採用者側の心証が悪くなります。
ある程度文章が書けたとしても、”仕事が適当な人”または”我を通す面倒な人”というように採用を見送られる可能性があるので注意しましょう。

 

口語NGかどうかチェック

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メディアによって口語OKのところとNGなところがあります。
たとえば、「~ですね」「いかかでしたでしょうか?」など読者に語りかけるような文章です。
個人としては「注意すれば直るだろう」と減点対象にはしないのですが、なかには一発でアウトにする人もいます。特に紙媒体出身の編集者は嫌う表現です。
就職活動をするときに、その会社のことを調べるのと同じで、最近投稿された記事を何本か読んでみて、口語が使われているかどうか調べておきましょう。

 

指定された文字数は守ろう

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テストライティングの際、ほとんどの場合は文字数が指定されていると思われます。
この場合、指定された文字数を必ず守るようにしてください。
少なすぎてもダメ。多すぎてもダメです。

少ないのがアウトな理由は簡単で、「実力が足りていない」「調査を適当に行う人」「要件を守れない」など。プラスに捉えられることはまずありません。

一方、多く書くのがアウトな理由としては、脱線のリスクがあるためです。文字数が多く納品してくれるのは正直嬉しいのですが、色々と盛り込みすぎた結果、話が二転三転して結局何を言いたいのかわからない文章になってしまう人もいます。

たくさん書けばよいというわけではなく、必要な情報をスマートに伝えられるかどうかを意識してみてください。


文字稼ぎをしない

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文字稼ぎとは、適当なことを書いて文章を水増しする行為のことです。

【例】ゼンハイザーの「HD 4.40BT」は、Bluetooth4.0に対応したワイヤレスヘッドホンです。高音質で遅延の少ないapt-Xコーデックに対応しています。音質面では非常に優れているのですが、アーム部分がプラスチック製なので耐久性が少ないのがデメリットといえるでしょう。一万円超えのヘッドホンですから、すぐに壊れてしまったら嫌ですよね?筆者も以前、ヘッドホンを踏んで壊してしまったことがあります。

途中まではいいのですが、「一万円超え~」あたりからはどうでもいい文章です。
ブログならば自由に書いていいのですが、一文字何円で発注することが多いWEBライティングにおいては文字稼ぎ=手抜きとみなされ、心証は最悪になります。
真剣に面白いものを作ろうと思っているメディアならば一発で落とされるので注意しましょう。


WEBライティングのコツ|初級編


WEBライティングをするのにおいて、最低限マスターしておきたいテクニックです。
いずれも当たり前のことと思われるかもしれませんが、クリアできている人は滅多にいません。
逆を言えば、これさえできていれば経歴を重んじる大手メディアは厳しいかもしれませんが、ベンチャークラスのメディアならば余裕で活躍していけるでしょう。


「です」「ます」の連続は避ける

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【例】2018年に発売したソニー製のヘッドホンです。ノイズキャンセリング機能を有しているのが特徴です。価格も安いのでおすすめです。

語尾が連続している場合、リズムが単調になり、小学生の作文のような印象を与えてしまいます。
小説などではスピード感を出すためにあえて「です」や「ます」を連続させることもあるのですが、WEBメディアでは嫌う傾向があります。


文章はなるべく短く

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【例】オーディオテクニカは日本の音響機器メーカーのひとつで、高品質かつリーズナブルな製品をリリースしているのが特徴とされ、国内はもちろんのこと、世界中にファンが存在しています。

WEB媒体は、文章を読むのが得意な人だけが読むではありません。本や雑誌をまったく読まないという方も少なくありません。そして、そういった方のほうが実はメジャーだったりします。
そのため、WEBでは基本的に文章は短いほどよいと考えられています。文法的に間違いではなくとも、なるべく短くするようにしましょう。

例文では、
オーディオテクニカは音響機器メーカー
②高品質かつリーズナブルな製品をリリースしているのが特徴
③国内や世界中にファンが存在

と、ひとつの文章に3つも情報が入っています。小説などを読み慣れている人ならばスッと頭に入るかもしれませんが、普段本を読まない方は一読しただけで頭に入らないこともあるでしょう。
基本的に、一文中に含む情報は2つが限界。3つ以上は避けるのがベターです。


前半と後半の文章が合っていない

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【例】AirPodsAACコーデックに対応しているため、デザインもおしゃれです。

AACコーデックに対応していることと、デザインがおしゃれなのは全く違う話ですね。
この一文だけ切り取ると明らかにおかしいとわかりますが、あれもこれもと書こうとしているうちに文章が混ざってしまうことがあります。特にライター初心者の方が下手に長文を書こうとする場合にありがちなミスです


主語と述語を一致させる

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【誤】BOSEの魅力は、迫力のある重低音を響かせます。
【正】BOSEの魅力は、迫力のある重低音を響かせる点です。

上の文は一見すると普通に読めますが、主語は「魅力は」、述語は「響かせます」。
魅力自体が響いているわけではないので文法的に誤りです。
いわゆる「ねじれ文」といわれ、プロでも気を抜くとやってしまうことがあります。


「ため」「で」などが連続しないように注意する

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【例1】本製品は完全独立イヤホンのため、コードのわずらわしさがありません。価格もお手頃なため、コスパを重視している方にもおすすめです。
【例2】Amazonで高評価を得ているヘッドホンで、5年間の保証書がついているのが特徴で、万が一故障しても安心です。

いずれも「~ため、~ため」「~で、~で」とワンパターンな文章になっています。
文法的な誤りというわけではないのですが、小学生の読書感想文のようでプロは嫌います。
一回や二回ならばまだいいのですが、6000字くらいのコラムで何度も「ため」が使われていると、さすがに一般読者もウンザリしてしまいます。
手癖で書いてしまうことも多いので気をつけましょう。

 

WEBライティングのコツ|中級編

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WEBライターとして本気で稼ぎたい方は知っておきたいテクニックを紹介します。
おそらく一般ユーザーは気にならないレベルですが、いずれも文章のプロからすると「プロなんだからしっかりやってくれよ……」とモヤモヤする表現です。
これをしっかりとマスターすれば、WEBメディアの主力ライターとして活躍していけることでしょう。
一文字あたりの報酬もアップして、稼げるようになるはずです。


並列するときは同じ属性を並べよう

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【誤】このカナル型イヤホンは、ノイズキャンセリング機能やイヤーピースが3つ付属しているなど、さまざまな便利機能を有しています。

AやBやCなど、というように情報を並べる場合、同じ属性で固めるようにしましょう。
例文では、ノイズキャンセリングは「機能」ですが、イヤーピースがついてくるのは「サービス」です。
文章を読み慣れている人からすれば、フルーツ盛り合わせの中にキャベツが入っているような違和感を覚えます。


話を行ったり来たりさせない

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【例】近年話題になっている「デュアルリスニングイヤホン」。耳をふさがないため、音楽と周りの音を同時に聞けるのが特徴です。ソニーのXEA20を筆頭に注目が集まっており、完全独立型に次ぐブームが起こるのでは、と専門家の間では予想されています。周りの音がよく聞こえるので、仕事中はもちろん、ランニングをしているときにも便利なイヤホンです。

 

デュアルリスニングイヤホンの特徴→市場の動向→デュアルリスニングイヤホンの特徴

というように、話が巻き戻っています。

文章を書いたものの、文字数が足りなくて加筆した場合などに起こりがちなミスです。

小説のように演出として意図的に行っいるのならばともかく、文章のわかりやすさを重視するWEBライティングでは基本的にNGです。


WEBライティングのコツ|上級編

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僕自身がまだライター上級者ではないのでわかりません。むしろ教えてください。
いずれ、業界の誰もが知っているような大御所ライターになった際には書くかもしれません。

 

さいごに

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クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングの登場によって、ライターの数は爆発的に増えました。プロライターたちは「俺達の仕事がなくなるのでは」と、戦々恐々としたものです。
実際、仕事が減った時期もありましたが、すぐに元に戻りました。
なぜなら、副業としてライティングをしようする方のレベルがあまりにも低く、まったく使い物にならなかったためです。

現状、どこのWEBメディアも"ちゃんと書ける"ライターを喉から手が出るほど欲しがっている状態です。とりあえず、ここに書いてあることをちゃんと守れば、大手メディアを除いて、十中八九採用されることでしょう。

ライティングはセンスと思われがちですが、コツさえ押さえれば誰でもそれなりの文章を書くことが出来ます。ライター志望の方はもちろん、副業として稼ぎたい方もぜひ頑張ってください。応援しています。